渦流探傷と画像検査の違いとは?

製品の品質検査において、渦流探傷と画像検査(外観カメラ)は対応できる領域に明確な違いがあります。本記事では、それぞれの検査手法の基本的な動作原理をはじめ、具体的に「何が検出できるのか」という得意領域の違いに絞って分かりやすく解説します。検査手法の選定基準としてお役立てください。

渦流探傷と画像検査の基本的な原理の違い

両者の最も根本的な違いは、対象物の状態を捉える物理的なアプローチにあります。渦流探傷は「電磁誘導」を利用する手法です。コイルに交流電流を流して金属に対象の渦電流を発生させ、その電気磁気的な変化を信号として検出します。一方で画像検査は、カメラや内視鏡などを用いて対象物を撮影し、光学的な画像情報をもとに目で見るように視覚的に判断します。電気信号の変化を測定するか、視覚情報を解析するかというアプローチの違いが根底にあります。

渦流探傷の特徴・検出できるもの(材質や組織の違い)

外見には現れない金属の材質変化や組織の違いを検出できる点が、渦流探傷の大きな強みです。画像検査では判別が不可能な領域をカバーします。

外観が同一でも見分ける「組成差異」と「熱処理判定」

形状や寸法が完全に一致していても、合金鋼の組成の差異や、未処理の生材が混入した熱処理の有無を的確に判別できます。

加工不良を見逃さない「組織変化の検知」

目視やカメラでは確認できない、加工時の研削焼けや硬度の違いといった金属組織の変化も高精度に判定可能です。

画像検査の特徴・検出できるもの(外観・形状・数量)

画像検査が得意とするのは、製品の外観から視覚的に捉えられる項目の判定です。主に以下の用途で活用されます。

  • 表面の欠陥・異常:欠け傷や腐食の状況を検知
  • 外形の寸法・形状:変形などの形状不良の判断
  • 数量検知:部品の有無や個数のカウント

目視検査の自動化として、表面状態や幾何学的な外形異常を瞬時に捉える用途に適しています。

まとめ

目に見えない材質変化を捉える渦流探傷と、外観や形状を捉える画像検査では担う目的が異なります。それぞれの得意領域を正しく理解し、求める基準に応じて適切に使い分けるか併用することで、品質管理の精度向上につながります。

【検査シーン別】
渦流探傷器のおすすめ3選
3 SELECTIONS

渦流探傷器は、スペックだけを見て選ぶと、実際の検査対象の形状や設置環境と合わず、キズの見逃しや過検知が現場で頻発することがあります。
自社の現場で効果を発揮する1台を選べるよう、検査シーン別におすすめの機種を調査しました。

秒単位で流れる
量産部品の検査
ベアリング
シャフト・ローラー
エディーインスペクター エルエックスツー
EddyInspector LXⅡ
アクチューニACTUNI
ACTUNI
画像引用元:ACTUNI公式サイト(https://www.actuni.co.jp/ndi/eddy_crnt/eddylx2.html)
寸法(mm・W×H×D)
370 × 149 × 350
JIS準拠の校正証明で
導入・監査をスムーズに

親会社への提出やPPAP等の品質監査に求められるJIS Z 2316-2準拠の校正証明書を、追加費用や別申請なしで標準添付。書類が最初から揃うため、社内説得から導入後の監査対応まで、スムーズに進められる。

高速デジタル処理×必要十分な
機能で、現場が使いこなせる

過剰スペックを省き、量産検査に必要な機能へ絞り込むことで、専門知識がなくても扱いやすい1台。そのうえ、高速デジタル処理により回転ブレや外乱ノイズを抑える機能を備え、タクトタイムが厳しい量産ラインでも安定した全数検査体制を整える。

凹凸・曲面・
段差面の検査
エンジンブロック
シリンダー・歯車類
スタトグラフ
STATOGRAPH CM+
日本フェルスター
STATOGRAPH CM+
画像引用元:フェルスター公式サイト(https://www.foerstergroup.com/en/statograph-cm-cm)
寸法(mm・W×H×D)
211 × 133 × 317
複雑形状のワークでも
きずを見逃さない

凹凸・曲面・段差面でセンサーと部品の距離がブレることによるノイズを、独自の補正機能で自動補正。従来機では形状由来のノイズに埋もれていた微細なきずのみを抽出し、量産ラインでの過検知を防ぐ。

見てわかるエビデンスで
厳しい品質監査を突破

波形だけでは経験がないと判断が難しい穴・段差・曲面でのノイズがきず信号と重なりを色付き画像に変換し、加工形状はパターン認識で自動処理。視覚的なエビデンスとして記録できるため、海外OEMや親会社の厳格な品質監査にも対応できる。

R&Dでの
高度解析
試作品・不具合品
EV新規部品
エクタン
Ectane 2
エディーファイテクノロジーズEddyfi Technologies
Eddyfi Technologies
画像引用元:ポニー工業(正規代理店)公式サイト(https://www.ponyindustry.co.jp/products/65.html)
寸法(mm・W×H×D)
279 × 254 × 158.8
きず状態の可視化で
原因究明が進む

線でなぞる検査とは異なり、最大256の極小センサーを並べて面で読み取るアレイ技術を搭載。微小なクラックの形状や深さを2D/3Dのカラーマップで鮮明に可視化し、原因究明のためのエビデンスを提供する。

再解析で判定基準を
作り込める

スキャンした膨大な生データをPCにすべて保存できるのが強み。検査後でも、PC上でしきい値や周波数を変えて再解析できる。手探りになりがちな新規部品の複雑な量産検査基準の策定において、データに基づいたルール作りを実現する。

検査シーン別

渦流探傷器3選

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