渦流探傷器のデモ機

渦流探傷器は、ワークの材質や形状、検出したいきずの大きさによって、適した機種やプローブ、周波数の設定が変わります。カタログのスペックだけで判断すると、導入後に「思ったほど検出できない」「良品まで不良と判定してしまう」といったミスマッチが起こりかねません。

本ページでは、渦流探傷器のデモ機やテスト検査で確認できること、依頼から導入判断までの流れ、事前に準備したいものを整理しました。

渦流探傷器のデモ機で確認できること

デモでは、自社のワークできずを安定して検出できるかを実際に確かめられます。あわせて、段差や曲面など形状由来のノイズがどの程度出るか、ラインのタクトタイムに追従できるか、現場のオペレーターが操作を扱えるかといった、カタログでは読み取りにくい点も確認できます。

デモの主な形式

ワークの送付によるテスト検査

良品・不良品のサンプルをメーカーへ送り、検出可否をレポートで受け取る形式です。まずは検出できるかどうかを確かめたい段階に向いています。

訪問デモ・立会試験

担当者が機器を持参する、またはメーカーの拠点で立ち会いながら、実際のラインに近い条件で試す形式です。搬送速度やワークの回転など、現場の条件を再現しながら確認できます。

デモ機の貸し出し

一定期間機器を借りて、自社で繰り返し評価する形式です。対応の有無や期間、費用の扱いはメーカーによって異なるため、問い合わせ時に確認しましょう。

デモ依頼から導入判断までの流れ

STEP1
問い合わせ・ヒアリング

ワークの材質・寸法、検出したいきずの種類と大きさ、ラインの速度などを伝えます。情報が具体的なほど、適した機種やプローブを提案してもらいやすくなります。

STEP2
サンプル送付・テスト検査

良品と、きずのある不良品のサンプルを用意して検査を依頼します。

STEP3
結果の確認

検出信号の波形や、推奨されるプローブ・周波数などの提案内容を確認します。

STEP4
現場デモ・条件出し

必要に応じて、実際のラインに近い環境で動作や判定の安定性を確認します。

STEP5
見積もり・導入判断

検出性能に加えて、校正証明書の有無や導入後のサポート体制も含めて比較検討します。

事前に準備するもの

  • 良品サンプルと、検出したいきずを含む不良品サンプル(それぞれ複数あると安心です)
  • ワークの図面・材質・熱処理条件
  • 検出したいきずの種類・最小サイズ・発生しやすい位置
  • ラインのタクトタイム、搬送方法、PLCなど連携したい機器の情報

評価時のチェックポイント

項目確認したい内容
検出の安定性同じワークを繰り返し検査しても判定がぶれないか
過検知の有無良品を不良と判定してしまうケースが多くないか
操作性現場のオペレーターが設定・判定を扱えるか
ラインへの適合タクトタイムやI/O連携に対応できるか
書類・サポート校正証明書の扱い、導入後の技術支援の範囲

書類面の確認については、渦流探傷器の校正証明書のページで詳しく解説しています。

デモ・ワーク相談ができるメーカー

当メディアで検査シーン別に紹介している3機種のメーカー・代理店は、公式HPでデモやワークの相談窓口を案内しています。

ACTUNI「EddyInspector LXⅡ」

量産ラインの全数検査向けの機種です。検討段階でのワーク検証から搬送ラインへの組み込みまで、国内の技術スタッフが立ち上げを支援しています。

日本フェルスター「STATOGRAPH CM+」

凹凸・曲面・段差面など複雑形状のワーク検査向けの機種です。形状由来のノイズを補正する機能を備えています。

Eddyfi Technologies「Ectane 2」

試作品や不具合品の解析など、R&Dでの高度解析向けの機種です。複数の電磁気検査手法に1台で対応しています。

参照先:ACTUNI公式HP(https://www.landingpage-synergy.com/7Gd3Fd8R/)
参照先:日本フェルスター公式HP(https://www.foerster.co.jp/product_part_eddy.html)
参照先:ポニー工業公式HP/Ectane 2(https://www.ponyindustry.co.jp/products/65.html)
自社ワークで試してから
選ぶのが確実

渦流探傷器の選定では、自社のワーク・きず・ライン条件で実際に検出できるかを確かめることが、導入後のミスマッチを防ぐ近道です。サンプルと条件を整理したうえで、複数のメーカーにデモやテスト検査を相談してみましょう。

【検査シーン別】
渦流探傷器のおすすめ3選
3 SELECTIONS

渦流探傷器は、スペックだけを見て選ぶと、実際の検査対象の形状や設置環境と合わず、キズの見逃しや過検知が現場で頻発することがあります。
自社の現場で効果を発揮する1台を選べるよう、検査シーン別におすすめの機種を調査しました。

秒単位で流れる
量産部品の検査
ベアリング
シャフト・ローラー
エディーインスペクター エルエックスツー
EddyInspector LXⅡ
アクチューニACTUNI
ACTUNI
画像引用元:ACTUNI公式サイト(https://www.actuni.co.jp/ndi/eddy_crnt/eddylx2.html)
寸法(mm・W×H×D)
370 × 149 × 350
JIS準拠の校正証明で
導入・監査をスムーズに

親会社への提出やPPAP等の品質監査に求められるJIS Z 2316-2準拠の校正証明書を、追加費用や別申請なしで標準添付。書類が最初から揃うため、社内説得から導入後の監査対応まで、スムーズに進められる。

高速デジタル処理×必要十分な
機能で、現場が使いこなせる

過剰スペックを省き、量産検査に必要な機能へ絞り込むことで、専門知識がなくても扱いやすい1台。そのうえ、高速デジタル処理により回転ブレや外乱ノイズを抑える機能を備え、タクトタイムが厳しい量産ラインでも安定した全数検査体制を整える。

凹凸・曲面・
段差面の検査
エンジンブロック
シリンダー・歯車類
スタトグラフ
STATOGRAPH CM+
日本フェルスター
STATOGRAPH CM+
画像引用元:フェルスター公式サイト(https://www.foerstergroup.com/en/statograph-cm-cm)
寸法(mm・W×H×D)
211 × 133 × 317
複雑形状のワークでも
きずを見逃さない

凹凸・曲面・段差面でセンサーと部品の距離がブレることによるノイズを、独自の補正機能で自動補正。従来機では形状由来のノイズに埋もれていた微細なきずのみを抽出し、量産ラインでの過検知を防ぐ。

見てわかるエビデンスで
厳しい品質監査を突破

波形だけでは経験がないと判断が難しい穴・段差・曲面でのノイズがきず信号と重なりを色付き画像に変換し、加工形状はパターン認識で自動処理。視覚的なエビデンスとして記録できるため、海外OEMや親会社の厳格な品質監査にも対応できる。

R&Dでの
高度解析
試作品・不具合品
EV新規部品
エクタン
Ectane 2
エディーファイテクノロジーズEddyfi Technologies
Eddyfi Technologies
画像引用元:ポニー工業(正規代理店)公式サイト(https://www.ponyindustry.co.jp/products/65.html)
寸法(mm・W×H×D)
279 × 254 × 158.8
きず状態の可視化で
原因究明が進む

線でなぞる検査とは異なり、最大256の極小センサーを並べて面で読み取るアレイ技術を搭載。微小なクラックの形状や深さを2D/3Dのカラーマップで鮮明に可視化し、原因究明のためのエビデンスを提供する。

再解析で判定基準を
作り込める

スキャンした膨大な生データをPCにすべて保存できるのが強み。検査後でも、PC上でしきい値や周波数を変えて再解析できる。手探りになりがちな新規部品の複雑な量産検査基準の策定において、データに基づいたルール作りを実現する。

検査シーン別

渦流探傷器3選

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