現場へ持ち運んで検査を行うことができる「ポータブル型」の渦流探傷器を紹介します。電源のない屋外や、高所・狭所でのインフラ保守点検、プラント設備の定期検査などに適しています。バッテリー駆動で機動性が高く、近年ではPCやスマートフォンと連携できるモデルや、防塵・防水(IP規格)を備えた堅牢なモデルが多数登場しました。
EddyMobileは、橋梁などのインフラ設備や電源設備のない現場向けの携帯型渦流探傷器です。バッテリー内蔵で約6時間の連続使用ができ、AndroidスマートフォンとWi-Fi接続することでケーブルレスでの操作を実現しています。欠陥検出時はスマートフォンのブザーと振動で通知し、GPS位置情報とともに検査記録を自動保存できるため、広範囲なフィールド検査において極めて高い機動性を発揮します。
非破壊検査機材を広く扱うマークテックが提供するポータブル機材です。本機は残留磁気の測定に用いられるテスラメーターであり、金属部品の加工後や磁気探傷後の脱磁確認に活躍します。厳密には渦流探傷器ではありませんが、ポータブルで現場に持ち込みやすく、金属の磁気特性を検査・管理する工程において、他の非破壊検査手法と組み合わせて品質保証をサポートする重要な周辺機器となっています。
日本フェルスターが提供するDEFECTOMETER Mは、表面の微細なきず検出に特化したコンパクトなハンディ型探傷器です。片手で操作できる軽量設計が特徴で、塗装やコーティングを剥がすことなくその上から亀裂を検出できるため、インフラや航空機部品の現場点検にかかる作業工数を大幅に削減し、効率的な保全をサポートします。
ナノ精密が提案するUPECシリーズは、主にベアリングや自動車部品などの金属加工現場で活用されるポータブル仕様の探傷器です。コンパクトな筐体でありながら、表面のクラックや熱処理不良を高感度に検出する機能を備えています。現場のラインサイドに持ち込んでの抜き取り検査や、異常発生時の原因究明など、品質管理の現場で小回りの利く検査ツールとして重宝されます。
日本マテックが提供するWeldCheckは、溶接部の検査に特化して設計されたポータブル渦流探傷器です。海洋構造物や橋梁など過酷な現場での使用を想定したIP68準拠(防塵・防水)のタフな筐体を採用しています。塗装越しでも溶接の表面割れを検出できるため、屋外のインフラ保守において悪天候や厳しい環境下での検査をサポートします。
フェルスターグループのプルーフテクニックが扱うDEFECTOMETERは、高い機動性と操作性を兼ね備えたポータブル機です。金属の表面に生じた極めて微細なクラックを、素材の導電率や透磁率の変動を補正しながら正確に検出します。航空機部品やインフラ設備の定期保守において、検査員が持ち歩きながら高精度な検査を実施するための標準的なツールです。
ローマン・ジャパンのELOTEST M6は、ポータブル機の機動性と据置機に匹敵する解析能力を融合させたアドバンスモデルとなっています。高解像度のタッチスクリーンを搭載し、複雑な信号も視覚的に分かりやすく表示します。単一から複数の周波数を用いた検査まで幅広く対応し、航空宇宙から自動車、鉄道保守まで、様々なフィールドでの高度な欠陥検出と材質評価を1台で担っています。
センサ・システムが開発したクラックテスター CTシリーズは、シンプルな操作性で扱いやすいポータブル渦流探傷器です。充電式のバッテリー駆動により持ち運びしやすく、金属部品の表面クラックをランプとブザーで即座に知らせます。複雑な設定を必要としないため、工場内での抜き取り検査や、日常的な設備の保守点検など、手軽に検査を行いたい場面に適しています。
NDTアドヴァンスのVMECは、重量わずか150gという小型化を実現したUSB駆動の渦流探傷器です。PCやWindowsタブレットに接続して使用し、手動での金属部品の割れ検査や異材判別に力を発揮します。幅広い周波数帯に対応しながらも、アイコンを多用したソフトウェアで直感的な操作が可能。検査キットごと鞄に入れて持ち運べるため、出張検査やフィールドワークに便利です。
ワブテック・インスペクション・テクノロジーズ・ジャパンが展開するNORTEC 600は、ポータブルECTの代名詞的モデルとして知られています。明るい5.7インチ画面と直感的なインターフェース、そして過酷な環境に耐えるIP66相当の防塵防滴性能を備えます。航空機のボルト穴検査や表面クラック検出など、様々な保守現場で使用されている1台です。
非破壊検査サービスを提供する日本工業試験所が取り扱うHIMEX-V2は、現場での実用性を重視したポータブル探傷器となっています。独自のノウハウに基づいて選定された本機は、各種プラントやタンク、配管などの保守点検において、表面のきずや減肉を効率的に検出します。非破壊検査の現場で使用することを想定した、現場目線の使い勝手と耐久性を備えています。
Baker Hughes(Waygate Technologies)のMentor EMは、カスタマイズ可能なワークフロー機能「Mentor Create」を搭載したポータブル機です。高解像度のタッチスクリーンを採用し、検査手順を画面上にガイド表示できるため、経験の浅いオペレーターでも安定した検査を行えます。Wi-Fiによるデータ共有機能も備え、現場とオフィスのシームレスな連携を実現しています。
Eddyfi Technologiesが開発したReddyは、渦電流アレイ(ECA)技術を搭載したポータブル探傷器です。溶接部や複雑な形状の表面をアレイプローブで一度にスキャンし、高精細なCスキャン画像を生成します。直感的なタッチパネル操作と大容量のバッテリーを備え、広範囲のインフラ点検やプラント保守において、安定したスピードと検出精度を提供しています。
現場を移動しながら検査を行うポータブル型において、機器の重量とサイズは作業者の疲労に直結します。また、屋外の橋梁やプラント、粉塵の舞う工場内での使用を想定する場合、IP規格(防塵・防水性能)の確認が必須です。IP65~IP68相当の堅牢なモデルを選べば、急な雨や過酷な環境下でも機器の故障リスクを低減し、検査に集中しやすい環境をサポートします。
電源の確保が難しい現場では、連続して何時間検査できるかが作業効率を大きく左右する要素です。最低でも半日(4~6時間)以上、可能であればフルシフト(8時間程度)持続する大容量バッテリーを搭載したモデルが推奨されます。また、予備バッテリーへの交換が現場で簡単にできるかどうかも、ダウンタイムをなくすための重要なチェックポイントです。
探傷波形を正確に読み取るためには、ディスプレイの性能が重要なポイントとなります。直射日光が当たる屋外や、照明が強い工場内でも見やすい高輝度・反射防止仕様の画面(VGAカラーディスプレイなど)を備えた機種を選びましょう。近年は、手袋をしたままでも直感的に操作でき、波形を拡大表示できる大型タッチスクリーンを搭載したモデルが主流になりつつあります。
ポータブル型の渦流探傷器は、過酷なフィールド環境でのインフラ保守や航空機などの点検において、検査員の機動力を高めるツールです。持ち運びやすい重量と堅牢性、電源のない現場でも作業を続けられるバッテリー駆動時間、そして屋外でも波形を読み取りやすいディスプレイの視認性などが選定時の判断の軸となります。現場の環境や作業条件を整理したうえで、条件に見合った1台を選定しましょう。
現場での検査精度と効率を高めるため、ポータブル型には据置機に劣らない様々な高度な機能が搭載されています。
基本的なきず検出には単一周波数(単周波)が用いられますが、より高度な機種では異なる2つの周波数(2周波)を同時に流すことが可能です。2周波を組み合わせる(ミキシングする)ことで、検査対象の表面の凹凸(リフトオフ変動)や支持板のノイズだけをキャンセルし、隠れた欠陥の信号だけをクリアに抽出しやすくなります。
渦流探傷の信号は、主に位相と振幅を示す「リサージュ波形(インピーダンス平面表示)」で画面に描画され、きずの深さや種類を詳細に解析できるようになっています。さらに、直感的にきずの大きさを把握したい場合やアラームの閾値を確認したい場合には、信号の大きさを棒グラフで示す「バーグラフ表示」に切り替えられる機種がおすすめです。
検査結果のトレーサビリティを確保するため、ポータブル機内部に検査波形や設定条件、スクリーンショットを保存する機能が備わっています。保存したデータはUSBメモリやSDカード、あるいはWi-Fi通信を通じてPCへ簡単に転送可能です。専用のレポート作成ソフトと連動させることで、オフィスに戻った後の検査報告書の作成工数を削減できます。
ポータブル型の渦流探傷器は、現場へ持ち込める機動性に加え、単周波・2周波の使い分けやリサージュ波形による解析、検査データの記録・PC転送といった機能によって、現場での検査精度や業務効率化を支えます。種類別の選び方については、下記のページもあわせてご覧ください。
渦流探傷器は、スペックだけを見て選ぶと、実際の検査対象の形状や設置環境と合わず、キズの見逃しや過検知が現場で頻発することがあります。
自社の現場で効果を発揮する1台を選べるよう、検査シーン別におすすめの機種を調査しました。
| 寸法(mm・W×H×D) |
|---|
| 370 × 149 × 350 |
| 寸法(mm・W×H×D) |
|---|
| 211 × 133 × 317 |
| 寸法(mm・W×H×D) |
|---|
| 279 × 254 × 158.8 |