渦流探傷と超音波探傷の違いとは?

非破壊検査の手法である渦流探傷と超音波探傷には、どのような違いがあるのでしょうか。検査手法を正しく選定するためには、対象物についてどのような情報を把握したいかを明確にすることが重要です。本記事では、両手法の決定的な違いや特徴をわかりやすく比較・解説します。

渦流探傷(ET)と超音波探傷(UT)の主な違いと使い分け

渦流探傷(ET)と超音波探傷(UT)の決定的な違いは、検査アプローチを行う深さの領域にあります。知りたい情報が対象物のどの深さにあるかに応じて、以下のように使い分けるのが基本です。

  • 渦流探傷(ET):部材の最外層にあたる「表面や表層部」のきずを検出したい場合
  • 超音波探傷(UT):外観からは把握できない「内部構造や内部きず」を調査したい場合

検査対象部位と検出できる欠陥の違い

深さ領域の違いに伴い、捉えられる欠陥の種類や性状にも明確な違いが存在します。

渦流探傷が得意とする対象:表面のきずと組織変化

渦流探傷は、導電部材の表面や表面近傍に生じた微細なクラックの検出に優れています。さらに、物理的なきずだけでなく、熱処理に伴う焼けや硬度異常といった材料組織の変化を捉えられる点も大きな特徴です。

超音波探傷が得意とする対象:深部欠陥と接合部の異常

超音波探傷は、超音波の伝搬特性を利用することで、金属をはじめとする材料深部に潜む欠陥を捉えます。接合部における溶接内部の融合不良や鋳物の鋳巣、深層部の割れや空洞などを的確に検知できます。

適用できる材質と検査の特徴の違い

適用可能な材質や検査の作業特性にも大きな違いがあります。

  • 渦流探傷の特徴:電磁誘導を利用するため導電性材料に限定されるものの、完全非接触かつ高速での合否判定が可能
  • 超音波探傷の特徴:金属だけでなく非金属にも広く適用できる一方、探触子の接触が必要であり、結晶粒が大きい粗粒材では音波が散乱し検査が困難になる場合がある

まとめ

渦流探傷と超音波探傷を選定する際は、把握したい部位の深さや対象材質を明確にすることが不可欠です。検査速度や接触・非接触といった特徴の差異も踏まえ、自社の検査目的に合った手法を選定しましょう。

【検査シーン別】
渦流探傷器のおすすめ3選
3 SELECTIONS

渦流探傷器は、スペックだけを見て選ぶと、実際の検査対象の形状や設置環境と合わず、キズの見逃しや過検知が現場で頻発することがあります。
自社の現場で効果を発揮する1台を選べるよう、検査シーン別におすすめの機種を調査しました。

秒単位で流れる
量産部品の検査
ベアリング
シャフト・ローラー
エディーインスペクター エルエックスツー
EddyInspector LXⅡ
アクチューニACTUNI
ACTUNI
画像引用元:ACTUNI公式サイト(https://www.actuni.co.jp/ndi/eddy_crnt/eddylx2.html)
寸法(mm・W×H×D)
370 × 149 × 350
JIS準拠の校正証明で
導入・監査をスムーズに

親会社への提出やPPAP等の品質監査に求められるJIS Z 2316-2準拠の校正証明書を、追加費用や別申請なしで標準添付。書類が最初から揃うため、社内説得から導入後の監査対応まで、スムーズに進められる。

高速デジタル処理×必要十分な
機能で、現場が使いこなせる

過剰スペックを省き、量産検査に必要な機能へ絞り込むことで、専門知識がなくても扱いやすい1台。そのうえ、高速デジタル処理により回転ブレや外乱ノイズを抑える機能を備え、タクトタイムが厳しい量産ラインでも安定した全数検査体制を整える。

凹凸・曲面・
段差面の検査
エンジンブロック
シリンダー・歯車類
スタトグラフ
STATOGRAPH CM+
日本フェルスター
STATOGRAPH CM+
画像引用元:フェルスター公式サイト(https://www.foerstergroup.com/en/statograph-cm-cm)
寸法(mm・W×H×D)
211 × 133 × 317
複雑形状のワークでも
きずを見逃さない

凹凸・曲面・段差面でセンサーと部品の距離がブレることによるノイズを、独自の補正機能で自動補正。従来機では形状由来のノイズに埋もれていた微細なきずのみを抽出し、量産ラインでの過検知を防ぐ。

見てわかるエビデンスで
厳しい品質監査を突破

波形だけでは経験がないと判断が難しい穴・段差・曲面でのノイズがきず信号と重なりを色付き画像に変換し、加工形状はパターン認識で自動処理。視覚的なエビデンスとして記録できるため、海外OEMや親会社の厳格な品質監査にも対応できる。

R&Dでの
高度解析
試作品・不具合品
EV新規部品
エクタン
Ectane 2
エディーファイテクノロジーズEddyfi Technologies
Eddyfi Technologies
画像引用元:ポニー工業(正規代理店)公式サイト(https://www.ponyindustry.co.jp/products/65.html)
寸法(mm・W×H×D)
279 × 254 × 158.8
きず状態の可視化で
原因究明が進む

線でなぞる検査とは異なり、最大256の極小センサーを並べて面で読み取るアレイ技術を搭載。微小なクラックの形状や深さを2D/3Dのカラーマップで鮮明に可視化し、原因究明のためのエビデンスを提供する。

再解析で判定基準を
作り込める

スキャンした膨大な生データをPCにすべて保存できるのが強み。検査後でも、PC上でしきい値や周波数を変えて再解析できる。手探りになりがちな新規部品の複雑な量産検査基準の策定において、データに基づいたルール作りを実現する。

検査シーン別

渦流探傷器3選

検査シーン別

渦流探傷器3選